兎妓族


兎妓族(バニーズ)

アンゴラ、ダッチ、ロップイヤー、ネザーランドと毛色によっていろいろ細かい種族は異なるが
総じて兎妓族(うさぎぞく)と呼ばれる。寿命は普人族の半分から1/3ほど。早熟早老ながら幼生固定の種も多い。
バニーズは人と兎の特性をもつ種族で、何度めかの大戦時に魔法的な儀式で生み出された人造種族である。
その哨戒能力、潜伏能力などから斥候としての能力を期待されていたが、体の弱さ、臆病さ、寂しいと死ぬ、という
特徴はまさに致命的。そのうえ年中発情期が来るという有様で早々に失敗作の烙印が押されてしまう。

バニーズはメスしか生まれず、同性同士で交尾を行う事で単為生殖が促され、事後に双方が懐妊するという
特殊な生態を持っており、数世紀後にウーマンリブ運動が高まった際に旗印に利用されてしまう不遇な種族。
さておき、異種交配してもメスしか生まれてこない事もあり、愛玩動物として飼われる立場として
処分されず生き延びる事となる。

個人所有のバニーズはある程度の贅沢が許されている場合もあるが、そうでないもの、街で見かける
バニーズは大抵娼館の飾り窓の中の生き物である。
街の娼館は通称ウサギ小屋と呼ばれ、いくばくかの銭と引き換えにバニーズ娼婦と戯れる事が出来る。
バニーズ以外のウサギ耳付けた種族も娼婦として働いていることもあるが──

バニーズってそういう種族だろ?だからそういう仕事してる嬢はみんなバニーズとのハーフの
バニーガールってことにしてるんだ。だからエロい仕事しててもセーフだ!バニーズだからな。仕方ないよな!
そう法律で決まってるしな。…いいね? という大人の建前だ!

娼婦以外の仕事をしているバニーズはあまり見られない。
野良で一人で生きられるようには出来ていない。現在ではそう品種改造されている。

ごくごく稀に、主とはぐれて生き延びたバニーズも居るという話。用心深く、猜疑心深く。
簡単に死んでしまう世界の脅威に始終神経を張り詰めて生きているその兎は、
ほんの一瞬の不意を衝いて、相手の首を刈り取る程凶悪な存在に変じる事もあるとか。