身請けは買う側だけではなく、身請けされる側の同意も必要となる。 また、ハタチを過ぎた娼婦の身請けに関しては、いわゆる「予約」が商習慣として認められている。 身請けする年齢時の代金の半分を娼館に払い、以後、予約された娼婦は予約した客の専属となる。 予約した客は最低でも七日に一度は予約した娼婦を客として買う義務が発生する。 もし予約をキャンセルした場合、保証金は返還されない。 また、予約は1年先までが不文律とされているので、 二年三年先の予約を申し込んでも娼館側に門前払いされて終わりである。 極一部の稼ぎ頭の娼婦でもハタチを過ぎれば身請け代金は大幅に下がる。 25で年季明けと言う名の強制退職はどんな高級娼婦でも例外は無い。 なので大抵は下り坂に入ると気心の知れた客が「家出してた女房を引き取る」感覚で身請けしていくのが 娼館の常だった。 何人もの身請け話を悉く断って年季明けまで稼ぎ、うだつの上がらないCクラスの冒険者に嫁いで行った美談もある。 苦労してCクラスになるも、身請けの代金を捻出するには間に合わなかった男に、自分から嫁いで行った―― 娼婦側に選択権があるが故の人情話とも言えた。 立ちんぼは14歳から。 本職ってのはな、14で店に入って先ず掃除と挨拶の仕方から仕込むの。 そこから読み書き炊事洗濯針仕事に礼儀作法+一般常識。 閨の作法なんざ最後の仕上げ。店の看板背負わせるんだぜ? 何も出来ないエテ公に客取らせる訳ねーだろ。 店に上がるのは……まあ16からだろうね。 デビュー戦後の新人のお値段=1時間銀貨二枚