ふわふわした癖毛のショートカットの黒髪に、やや吊り気味の金色の目、それから日焼けによる小麦色の肌をしたミスラ。つまり、頭からは黒い猫の耳、尻からも黒い猫のしっぽ。 胸は薄く、尻は小さく、鍛えられた筋肉で身体は覆われ、本人の男性的な口調も相まってまさしく少年。しかし本人にとっては"残念ながら"、その股座に男性器は生えていない。
ミスラとは、雄雌の比率が極端に雌に偏った種族である。これまで永らえてきた種族であるから、全体として見れば雄が少なくとも問題はないのだろうけれど、局所的に見れば問題は発生していた。つまり、残念ながら、彼女の周辺において雄は存在せず、集落自体の危機に陥っていたのである。――よし、オレが雄になろう。 そんな思いつきを抱える少女のもとに舞い込む朗報。行けば男になれる村があるらしい――残念、それは人から人に流布する間に歪曲してしまった情報だッ! そんなことは露知らず、少女は少年になるべく旅を始めたのだったッ!
故郷からモンテフォードまでは適当に公共交通機関を乗り継いで、そこから先は、えっこっち合ってる? 迷ってない? 大丈夫? と疑問と不安を抱えながら天体の動きを頼りにとりあえず北に北に進んで、漸く辿り着きました夢の国、エルフ村落! やったーこれで男になれる――なんて希望はなく、噂の真相を聞いてげんなり、とりあえず「緑のエール亭」を紹介してもらったが、ああこれからどうしよう、と絶望感は尽きない。
でもエルフの村で男子力を高めれば生えてくるかも、とかなんとか考えて、つまり猫だけどセックスはタチの方向で! ――まあ、経験が少ないので押されたらネコになっちゃうんだけどね! 彼女の集落において、雄も男性器も精液も貴重品。故に、雄に気持ちよく種を付けていただくために、「おちんぽさま」は尊び、労り、奉仕すべきものという認識をしている。
ちなみに筋肉質な身体は実戦で鍛えたとかそういうのではなく、単に趣味の筋トレで鍛えたものである。 普通に暮らしてて戦闘とかないない。 |
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